

報酬決めの6つの心得
私の失敗談からはっきりと言えることは
「最初から安くせず、しっかりと作業に見合った料金を設定する」
ということです。
以下、私が普段から注意・意識している6つの心得を掲載しておきます。
①一度安くしたら値上げはできない
デザイナーとして駆け出しのころは、安くても良いからとにかく案件を取りたいという気持ちがあるのではないでしょうか?
もしくは最初は安く、後で高くすればよいと考えている方もいると思います。
ところが一度安くしたものを値上げすることは本当に難しいもので、一度でも格安で行うと、その後もずるずると安い単価で受けざる得なくなります。
例え値上げをしたとしても、クライアントとしては安い金額から後で値上げされることほど心証に悪いものはありません。
こうなると一度依頼が来たとしても、次は依頼が来ない可能性が大です。

②高めの料金設定で、+αの価値を提供するという意識
逆に最初から高い価格に設定したとしても、クライアントは契約時に納得して発注してきてくれているわけなので、しっかりと仕事をすれば満足してくれるものです。
さらに価格が高い分、スムーズに作業を終えた時などディスカウントをすれば+αの価値を提供することができます。

+αの満足度を提供することで、自然とリピーターになり次の発注に繋がります。
ちなみ私の場合は、消費税分をサービスしたりすることがあります。
③見積もりを明朗にして、しっかり説明する
金額が対価と時に「なんで?」と聞かれることがあります。
そんな時は難しい専門用語やあいまいな表現でごまかしたりせず、しっかりと相手が納得するまで見積もりの内訳を説明をします。
時には他の安い業者を紹介したりもしますが、そこまでして断られた経験はほとんどありません。

④そもそも格安案件は避ける
そもそも格安の案件は避けるのが無難です。
こういった格安の案件を発注するクライアントだと、デザインという仕事に価値を感じておらず、なんとなくあったら良いな位の気持ちで発注してきている可能性があります。
そうなると、いくら案件をこなしたところで全く稼げず、後で値上げするというのも不可能に近くなります。
発注数は多いけど、全然お金にならない…
こうした悪循環に陥らないためにも、高めの報酬設定にしておき、予め格安発注を避けるようにしましょう。

焦る気持ちであれこれクライアントを探すのでなく、じっくり長い目をもってお互いに尊重し合えるクライアントを探してくださいね。
⑤気持ちに余裕をもって
独立したデザイナーの方には「デザインで今月の生活費を稼がないと!」という気持ちから、焦ってとにかく色んな格安案件に手を出してしまうことがあると思います。
私もこういった状況を経験したことがあり、余裕がない分なんでも手を出してしまったのですが…忙しいだけで全然稼げないとう地獄のループにはまってしまいました。
そうならないためにもデザインで稼げていない場合は、アルバイトやパートをして、まずしっかりと生活費を稼げるようにしておきましょう。
もともと高めの金額設定では最初から受注が来ないのは当たり前です。
だからと言って焦って格安の案件に手を出しても何にもならないことがほとんどです。
生活費に追われなければ、余裕を持った気持ちで案件を探し・選べるようになります。

⑥デザインスキルだけでなく、人を売ることで自然と発注数は伸びる
「とはいっても価格が高いと発注が来ないのでは?」
と思われるかもしれませんが、確かにデザインスキルだけでは高い金額で発注を得ることはなかなか難しいものです。
そのため、一件一件のクライアントを大切にしてデザインだけでなく自分を磨き・売り込む努力をしてください。
結局は人に勝る資産はありません。
あなたの仕事の質が上がり、人間性の魅力が上がるほど、自然と口コミで仕事は広がっていきます。

それだけにフォーカスして取り組んで下さい。
以上が私が普段から意識している報酬設定の心得でした。
もちろん自分がどの程度のスキルを身に着けているかにもよよって金額も変わりますが、是非仕事にプライドを持って案件を取るようにしてください。
次項より具体的にいくらで設定しているのか、私の報酬例をご紹介していきます。
印刷物デザインの料金例
私の場合、デザイン案件の依頼で最も多いのが印刷物のデザインです。
料金は紙面の内容にもよりますが、1ページで30,000~50,000円を頂いております。
20ページ以上と、ボリュームがある案件の場合はボリュームディスカウントを含め、1ページ20,000~に設定することもあります。


以下、印刷物受注時に私が特に気を付けていることです。
印刷ミスを軽減する対策
印刷物の場合、どうしても本印刷後の印刷ミス(誤字・脱字、イメージの相違等)というものがあります。
私の方で対策として
- しっかりとクライアントに校正をしてもらう
- 校正後は一部控えを渡しておく
- デザイナーも人間でありミスが生じる場合があることを伝えておく
- 本印刷後に色味が若干変わる可能性があることを伝える
ということを常に行っております。
印刷ミスがあっても耐えられる金額設定にしておく
とはいえ、ここまでやっても本印刷後に印刷ミスが生じることがあります。
おおらかで理解のあるクライアントであれば許容の範囲で流してくれるのですが、神経質なクライアントの場合はそうはいきません。
デザイナー側としては「予め校正を頼んでいるのでこちらにの責任ではない」と言いたいところですが…
クライアントとしても「誤字・脱字位、そっちでも見つけてよ」と言い分があります。
そこで印刷リスクを見越して、最悪の場合も刷り直しをこちらで負担できるような金額設定にすることがオススメです。

WEBサイト制作の料金例
年間を通して4~5本ほどウェブデザインの仕事を頂いておりますが、最低単価は300,000~で、ボリュームのあるウェブサイトの場合など1,000,000円程頂く場合もあります。


以下、WEBサイト受注時に私が特に気を付けていることです。
ヒアリングを徹底
私の場合、いきなり受注して制作ということはせず、まずはヒアリングを行い、WEBサイトを作ることでクライアントのビジネスが飛躍すると確信した時のみ受注を受けるようにしております。
具体的には
- WEBサイトがビジネスでどのように活用できるのか?
- WEBサイトで達成できる目標は何か?
- どんなコンテンツが必要か?
- そもそもWEBサイトが必要なのか?
ということをクライアントと一緒に入念に検討していきます。

横文字を使わない
WEBの分野では、どうしても横文字が多くなります。
※例えばSEOやサーバー、ドメインなど
普段から自分には当たり前の言葉だとしても、クライアントは言葉さえ聞いたことがない可能性があります。
そこで横文字を振りかざさず、なるべくかみ砕いた言葉を使いながら相手が理解できるように説明するよう心がけております。
場合によっては追加料金がかかることを事前に伝えておく
WEBの様にボリュームのある仕事の場合、急な変更や追加の要望は生じることがあります。
そういった時に都度追加料金を伝えるのはお互いに心労になるため、しっかりと追加料金がかかる場合についても説明しておきます。
追加料金が発生する例として、私の場合
- 基本のページ数を上回る場合
- デザインが大きく変更する場合
- 技術的に難しいシステムを導入しようとする場合
- その他急な要望
といったことは契約前にしっかりと伝えておきます。
こうして事前に伝えておくことで、後の急な要望をぐっと減らすことが出来ます。
その他デザインの料金例
現在は印刷物かWEBのみのデザインで、他の案件というのはほぼ受けてず、仲の深いクライアントからどうしてもという場合だけ対応しております。
その場合は時給5,000円で計算しており、例えば簡単なロゴデザインであれば2時間くらいで終わるので10,000円といった感じです。


いかがでしょうか?
以上が私がデザインする際の報酬例になります。
私の様に無名なデザイナーの方に、少しでも報酬を決める際の参考になればと実例を紹介させていただきました。
これは一例で、もちろん高名なればこの何倍・何十倍も目指せると思います!!
これからデザインで稼ごうとお考えの方は、しっかりと料金設定をしておいて幸先のよいスタートを切ってくださいね!!
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柳井 謙一
柳井です。
デザイナーとして稼ごう・独立しようとすると、真っ先にぶつかる壁がデザイン料をいくらにするかという悩みだと思います。
私も今でこそしっかりと報酬が頂けるまでになりましたが、独立時は本当に悩みました。
格安で受けすぎて全然作業に見合わなかったり…
右も左もわからない状況で、なんとなく料金を決めたものの全くお金にならないという経験が沢山あります。
今回はここまで数多の失敗をしてきた私の経験談を踏まえ、実際に私が設定している報酬例を紹介させていただきます。
これからデザイン案件で稼ごうと考えている方、またはザイナーとして独立しようと考えている方は参考にしてみてください。